気づいてなかったK太の感覚特性
こんにちは、K子です。超久しぶりのブログになりますが、今日はとても大切に感じている「感覚特性」のことを書いてみました。
K太に発達障害の診断がついてからその時々で色々と本を読んできましたが、小学校に上がったあたりからK太の感覚特性が顕著になってきたこともあり、そのことについて書かれたものをわりと熱心に読んできました。
K太の「なんでこんなことするの?」と思ってしまう理解できない行動がこの「感覚特性」にかなり由来していることがわかり、もっと早く知ってれば良かった!と強く思いました。
感覚統合療法については、K太が幼児の頃に病院の医師から教えて頂いて、作業療法士さんの感覚統合訓練を受けたことがありました。
でも当時の私はK太に感覚特性がしっかりあることに全然気づいておらず、その訓練の本質をはっきり理解できていませんでした。
今となっては当時私がぼっさりしてただけで、もっとしっかり興味持って受け止めろよK子!って感じですが、子供の行動が謎、理解できないと思ってる方がいたとしたら、感覚特性について知るとけっこう気づきにつながるのでは?と思うのです。
感覚特性タイプって何?
私にいちばん分かりやすく“感覚特性のタイプ”を教えてくれたのが、
『子ども理解からはじめる 感覚統合遊び』(クリエイツかもがわ)という本。
この本では、Dunn, W.(2015)の感覚プロファイル理論をもとに、感覚の受け取り方と反応の傾向を4つのタイプに整理して紹介されていました。
以下は、その分類を参考にしつつ、私自身の理解とK太の様子に照らし合わせて整理した内容です。
【1】感覚過敏タイプ(受動 × 刺激に敏感)
特徴:
刺激を受けすぎてしまい、不快感や緊張が高まりやすいタイプ。落ち着きづらく、不安が強く出ることもある。
よくある行動:
• 音や光、におい、肌ざわりに敏感
• 人混みや大きな声を怖がる
• 服のタグや靴下などを嫌がる
対応のヒント:
・刺激の回避、軽減を許容する(音を減らす・触覚を快適にする)
・静かな環境、感覚的に心地よいアイテムを用意
・「がまんさせる」より「安心できる環境」を用意する
K太の場合:
【困り事】靴下のしめつけ感、肌触り、気持ち悪い!冬でも裸足じゃないとイヤ。
【対応】無理に履かせるのはやめて、その日履く履かないは本人の選択に委ねる。裸足でも快適に過ごせる靴を探す。
【困り事】人がワイワイする音が苦手で、学校の教室のなかに居続けるのが辛い。1年生の時は不安感から1人で学校に行けなかった。
【対応】母子登校で寄り添い、まずはいつでも母に助けてもらえる安心感を作る。無理に教室に入らせようとするのではなく別室で過ごすのをOKにしてもらったり、気持ちを落ち着けたい時はブランコで揺れてきてもいいという許可をもらったり。先生は自分を理解してくれる、という実感がK太にできた時、1人でも大丈夫になったように思う。
【2】感覚回避タイプ(能動×刺激に敏感)
特徴:
不快な刺激を避けようと、自分から拒否・回避する動きが強いタイプ。
刺激を感じすぎることで感情が高ぶり、怒りや拒否につながることも。
よくある行動:
• 大きな音やにぎやかな場を避けたがる
• 初めての場所・集団活動に強く抵抗する
• 遊びを断ったり、突然怒り出したりする
対応のヒント:
• 無理に慣れさせるより、“避ける選択肢”を尊重する
• 少しずつ「安心できる」経験を積み重ねる
• 事前予告や選択肢の提示が有効
K太の場合:
【困り事】音の苦手があるので音楽の授業には1〜2年ほど参加できず。教室の響きや楽器の音の刺激が強すぎてその場から逃走したりしていた。
【対応】音が辛い時に使えるお助けアイテム、高ノイズキャンセリング機能のついたヘッドフォンを用意。無理に取り組ませることはせず、本人が頑張ってみたい時はこれを使って徐々に参加できるように。元々音楽は好きなこともあって、3年生にはヘッドフォンなしで楽器の演奏に取り組んだりまでできるようになった。
【3】感覚探求タイプ(能動×刺激に鈍感)
特徴:
感覚刺激を感じにくいため、“もっとほしい”と感覚刺激を求めて自分から動きまくるタイプ。
衝動的に見えて「落ち着きがない」「わざとやってる」と誤解されやすいけれど、本人にとっては“必要な刺激”を追い求めている。
よくある行動:
・高いところに登ったり飛び降りる
・激しく動き回ったり、激しい遊びが好き
・叩く、蹴る、触る、など乱暴だったり過剰な行動が多い
対応のヒント:
• 動きや刺激を“止める”のではなく、“満たす”工夫を
• 跳ねる、触れる、動ける環境づくり
• 動きながらできる活動や調整タイムを取り入れる
K太の場合:
【困り事】学校の下駄箱の上に登ったり、窓枠の上に登ったりしては飛び降りる。雨でも降ろうものなら、水たまりでの水遊び、泥遊びが始まり、服はドロドロ、全身びちゃびちゃに。
【対応】感覚刺激を満たすために自宅で取り入れたトランポリンクッションやバランスボールは、今やK太にとって生活必須アイテム。帰宅したらまず跳ねる、イライラしてても跳ねる、テレビを見ながら跳ねる、宿題の前に跳ねる。ピョンピョンして刺激を入れながら気持ちの切り替えにも活用している様子。“跳ねる刺激で自分を整えてるのだね”と思って見守っている。
【4】低反応タイプ(受動 × 刺激に鈍感)
特徴:
感覚刺激を脳に届きにくいため、反応がゆっくり・薄く見えるタイプ。
「やる気がない」「聞いてない」と誤解されやすいけれど、本人は気づいていないことが多い。
よくある行動:
• 名前を呼んでも反応がない
• 表情が乏しい、ぼーっとして見える
• 話を聞き逃す
・ いつも眠そう
対応のヒント:
• 声だけでなく視覚・触覚など他の感覚を使って関わる
• 確認や指示は「見える」「触れられる」形で伝える
• 本人の“ペース”を理解する
K太の場合:
【困り事】低反応タイプの傾向は薄めだけど、気分がこもっているときは「届いてない」感じになることも。
【対応】声かけに反応しないときは、そっと肩に触れるなどして意識を向けてもらっている。
タイプを知ったから、見えてきた“K太の世界”
感覚特性って、「甘え」とか「わがまま」でもなくて、「その子がこの世界をどう感じているか」なんだなって思います。
そして、K太の親としての私の役割は、彼なりの“だいじょうぶ”を一緒に探していくこと。
感覚特性のタイプは、はっきり一つに当てはまる子もいれば、いろんなタイプがミックスされている子もいます。うちのK太もまさに、「過敏 × 回避 × 探求」みたいなカオス構成。
でも、それが“K太の世界”なんだと思うようになりました。
タイプを知ってから、「なんでそんなことするの?」と困っていた行動も、「そう感じるんだ〜」と捉えることができるようになったし、それだけで私の対応もずいぶんと変わったように思います。
もし今、「うちの子、なんでこうなんだろう……」と悩んでいる方がいたら、
一度、“感じ方”の視点でその子を見てみるのをおすすめしたいです。
行動の奥にある“感じていること”を想像してみると、子どもとの関係がいい感じに変わっていくかもしれません。
参考書籍:『子ども理解からはじめる感覚統合遊び 保育者と作業療法士のコラボレーション』
(クリエイツかもがわ, 2019年)
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